ライブの撮影に向いてる撮影機材(カメラ編)

ライブをマルチカメラで撮影する場合は色々なアングルから撮ることが望ましく、尚且つさまざまなライブハウスの条件に柔軟に対応できるものが欲しい。ライブハウスは照明が本番中に色々変わるので、それに耐えられるように、時にはフォーカス設定をマニュアルにしたり、露出設定をあらかじめ決めてあげる必要がある場合もある。それらの設定は安価クラスのカメラだとできない場合があり、やはり平均クラス以上の機材が望ましいのかもしれない。

ここでは自撮り(出演者が自ら撮影)またはワンマンオペレーションでライブをマルチカメラ撮影することを前提に、10万円くらいまでの価格帯で使えるカメラについてまとめてみます。

Panasonic のマイクロフォーサーズカメラ

PanasonicはOlympusと共に、マイクロフォーサーズ(以下MFT)という規格のカメラシリーズを展開している。レンズ交換式で、MFT規格であればどっちのメーカーのレンズも使える。レンズも広角から望遠まで色々出ており、カメラ本体は小柄なものが多い。

mft

一番のメリットは、Panasonicの本体はデジカメでよくある30分リミットが付いてないこと。つまり、一眼クオリティーで連続的に30分以上撮影できる。30分リミットは、ヨーロッパなど(?)で出荷の際にかかる税金対策なんだとか。30分以上撮れる仕様だとビデオカメラとみなされて税金が高くなるか何かで、ソフト的に撮影時間の上限を設けてるんだとか。PanasonicのMFTボディはデジカメでありながらタイムリミットが付いておらず、尚且つ動画を前提にした設計になっているためオーバーヒートもしにくい(Sonyのデジイチなどは本質がスチルカメラなので30分リミッター付きな上に動画を撮るとオーバーヒートする場合があり、酷い時はものの15分で勝手に止まったりする。自分でも経験ありw)。更にLumixのMFTシリーズはほとんどの場合、別売りのACアダプタを付けることもできるので電源確保ができる場合は電池の残量の心配もなくなる。

スチルカメラとしても使えて小型だから持ち運びやすく目立たず、尚且つ時間制限がないという素晴らしい性質を持ってるので自分にとってパナのMFTは正に神スペック。

GoPro Heroシリーズ

GoPro Heroシリーズは元々サーフィンの動画を自撮りするために開発されたらしいが、今やアクションカメラの代名詞になりつつあるね。GoPro本家サイトではアクション寄りのサンプル動画が多いけど、近年は音楽ライブでの活用例も紹介している模様。

gopro

本体が小型で、アタッチメントも様々なものが発売されているため、場所を選ばずに色々な所に取り付けることができるのが最大の魅力。主に被写体に近い位置で使うカメラと思うといいかもしれない。超広角レンズなので被写体が遠いと異常に小さく写り、地味になってしまう。ただ、顔をどアップで撮ると歪んで不細工に映るからこれはこれで注意w。画質は最近のモデルでは室内で薄暗いくらいの環境でもさほどノイズが乗らずに撮れるため、ライブの映像にも使えるようになってきた。基本的にはパンフォーカスで、上記MFTなどの一眼系カメラと比べると画質は流石に劣るが、全体的に画質はとっても鮮明。テレビ局などでも近年では積極的に使われているようで、画質とサイズのバランスが良いことが伺える。現行モデルはHero4シリーズ、無印、シルバー、ブラックの3エディションがあり、センサー等のスペックが違う。バランスが良いのはシルバー(背面モニターが便利)、スペック優先ならブラック。

弱点としては、小さいボディにかなりの性能を詰め込んでいるため、条件によって動作が不安定になることがある(録画停止、SDカード読み込み失敗、オーバーヒート等)。が、最近はそのケースも大分減ってきている。現時点では電池の持ちが少ないのが最大の弱点かもしれない。

それ以外で強いて言うならGoPro HERO(無印。数字もカラー名もなし)という名で2万円くらいで売られてるモデルだけは避けたい。旧型のセンサーを採用しているらしく、室内で撮影すると やはりノイズが乗りやすいし、スペック不足が否めない。スキー場の様に常時明るいところでの撮影なら問題ないんだろうけどね。

カムコーダ

いわゆるビデオカメラ。左に画面がパカっと開いて片手で撮るアレ。

canon

日本では何故か「ビデオカメラ=お母さんが我が子の成長を記録するための道具」という雰囲気でマーケティングされてる気がしてならない。JVC、Canon、Sony、など大手さんが出してるカムコーダはみんなファミリー向けな雰囲気で売り出してる。謳い文句は、簡単操作、高倍率ズーム、強力な手振れ補正、内蔵プロジェクターなどなど。とは言え、ファミリー向け製品の中でも、より本格的なモデルも各メーカーで出てるので、その辺が自分としては欲しくなる。残念ながら10万円以上20万円未満という価格帯なのでちと高め。尚型落ちを狙うと10万円切る。

レンズ交換は一部のモデルを除いてできない場合が殆どなのが残念だけど、カムコーダはGoProやPanasonicのMFTより手振れ補正が強力な場合が多いので、手持ちカメラとして使うと本領発揮してくれると感じている。特にソニーのハンディーカムの光学手振れ補正は凶悪なレベルで振動を抑えてくれるらしい。最近のモデルは4Kで撮れるようになってきてるし、使ってみたいね。

気を付けたいのは安すぎるカムコーダくらいかな?2~3万円前後の安いカムコーダはセンサーが小さいことによる 画質の悪さや、使いやすさを重視しすぎるあまり詳細な設定ができないなどの落とし穴があるので、照明の環境が厳しいライブの現場では満足な画質が得られな いことが考えられる。何十倍ズームなどの謳い文句が目立つ機種は大抵安価モデルで、センサーの小ささを補うためにアピールしてるケースが多いなんてことも 聞いたことがある。気を付けたい。

その他

上記以外でも、GoPro的なアプローチをしたワイドレンズ搭載の小型アクションカメラは各社から発売されており、中には高性能なマイクを搭載しているものもあったり(ZOOMのQ8など)、近年では選択肢が大幅に広がったと思う。今ではこれらのカメラはプライスクラスが同じであれば性能の差は僅かだと思える。なので好みで決めてもいいのではないかと思っている。個人的にはGoProから入ったので、GoProを使い続けている。オプションが豊富なことも魅力だが、複数台持ってるとハウジングやアダプタなどのオプションが使いまわせるのが便利なため。

後は業務用寄りのビデオカメラ(パナソニックのX1000やキャノンのXFシリーズなど)もあるけど、価格が凄いのと本体が大きくなるため、現場を選ぶ感じになってくるかも?三脚とかも大型化するだろうしね。財力と置き場所に余裕があるならぜひ使ってみたいのは山々だがw。

まとめ

基本的に30分リミットが付いていないカメラであり、ここ5年以内に発売されたもので、実売価格が5万円以上のものであればライブの撮影は大抵できると思ってる(もちろん例外はあるかと)。好みもあるかもしれないが、GoProシリーズ、Panasonic のMFT、CanonやSonyの上位クラスのカムコーダあたりが個人的には安定していると思える。もちろんPanasonicのカムコーダも。

大まかに、GoPro系のアクションカムは演奏者間近のアングル用、MFTなどの一眼系は中~遠距離からの固定アングル用、カムコーダー系は手持ち撮影用という棲み分けができるかもしれない。あとは現場の状況次第で。

しかしまぁ高い趣味である。

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