YAMAHAの新フラッグシップシンセ:MONTAGE

montage7ヤマハの新しいフラッグシップシンセが今年の1月に発表されていたらしい。今さら知った。ショック。完璧に出遅れた。MOTIF XFが2010年に発表されてから新しいフラッグシップクラスのモデルを出す気配すらなかったからヤマハは完璧にノーマークだった…。

ざっと情報を漁った感想

というわけで今度のシンセはMONTAGEというらしい。シンセの名前に「MO」の二文字は意地でも入れたいのかヤマハさんw。位置づけとしてもMONTAGEは2001年から続いてたMOTIFシリーズの後継機らしい。今回はお馴染みのAWM2音源に加えて新たにFM-X音源が加わり、PCMとFMの2音源を搭載してる。AWM2はMOTIFシリーズからの継承音源だけど、容量がMOTIF XFの10倍近くあるらしく、従来のままではなく、ちゃんと進化してる模様。

色々改善されてるところや新しく加わった機能がたくさんあるけど、一通り動画やブログを漁った感想としては、ぶっちゃけ

これKRONOSでもできる

と思えるものがとても多い。

ハード的な特徴としては、画面がとうとうタッチスクリーンになり、スーパーノブと呼ばれるアサイナブルコントローラーが付いてるところが目玉とされてる感じ。スーパーノブはサイズが結構大きいので目立つ。そしてそれに複数のパラメータをアサインできることを謳ってる。ノブを回すことによって一気に色々な要素を変化させることができ、音色を連続的に大きく変えることができる。しかし、これってKRONOSで言うVector Joystickでできることに似てるんじゃないだろうか。アプローチは違うけど複数のパラメータを一つのコントローラに割り当てて音色をモーフィングさせるという点では共通してると思う。

ソフト面では、KRONOSのSmooth Sound Transitionの様に、音色切り替えの際に音が途切れない技術を搭載してるっぽい。そしてKRONOSで言うSet ListモードそっくりなLIVE SETモードもあるw。やっぱこれは必要だよね。

音源は先述の通りPCM音源であるAWM2(KRONOSで言うHD-1)と、FM音源であるFM-X(KRONOSで言うMOD-7)の2つが搭載されてる。

こんな感じで、全体的にはKRONOSが上位互換っぽいイメージがぬぐえない。

ではMONTAGEにしかできない機能はあるのか?

仕組みの詳細は分からないけれど、どうやらオーディオ入力があって、その信号をサイドチェーンとして使ってEGなどを反応させることができるみたいなことが言われてる。これKRONOSには無い概念じゃないだろうか?一応入力に対する処理を音色内で行うという機能はKRONOSにもあったと思うけど、ちょっと使い方が違う気がするのでこれは詳細が気になるところ。

それ以外でMONTAGEオンリーの機能では、音色にSCENEという概念があるみたいで、1音色に8個のシーンが割り当てられるみたいなことが言われてる。ギターのクリーンサウンド、ディスト―ションかかった音、トレモロがかかった音など、シーンボタンを押すことで瞬時に切り替えられるみたいなことをデモ動画でやってたので、これはちょっと面白いかもしれない。もし1音色内でそういう音色の特徴が簡単に切り替えれるのであればこれはライブ演奏ではかなり強いと思える。

今回追加搭載されてるFM-Xについては、KRONOSのMOD-7に対してどう違うかは自分の知識不足のため評価できないけど、FM本家とも言えるヤマハの新製品だからMOD-7よりすごいのかな?(超適当)

あと、何気に重要なのが、MONTAGEはヤマハお馴染みのFSX鍵盤を76鍵モデルでも採用しているということ!近年のコルグは61鍵、73鍵、88鍵というラインアップでシンセを出してるけど、軽いシンセ鍵盤は61鍵のモデルだけ。73鍵からは重いピアノ鍵盤という仕様。それさえなければKRONOSも73鍵のものを買ってたのだがこれはコルグの方針なのでどうにもならない。でもMONTAGEはMOTIFシリーズ同様、ちゃんと76鍵モデルでもシンセ鍵盤を採用してくれてる。下段76鍵、上段61鍵のセットアップで、尚且つシンセ鍵盤オンリーという自分のスタイルにはこれは本当に朗報。

まとめ

あくまでネットでざっと情報を漁っただけではあるが、

MONTAGEは、MOTIFからは色々な面で大幅なパワーアップが見られる。でも、これもKRONOSと比べるとやっと追いついてきた程度で機能面で革命的に新しく感じられるものはあまりないのが今のところの感想。

それでもMONTAGEは久しぶりにとても興味が湧くシンセとなってる。

何が魅力なのかというと、ヤマハの音源でKRONOSに近いことができるようになった事がデカいと思う。ヤマハのPCM音源はコルグには無い雰囲気が有ったりするわけで、おそらく今回発表となったFM-X音源もKRONOSに入ってるMOD-7とは雰囲気が違うんじゃないかと踏んでる。

うちではMOTIF ESを長年使っているけど、今回発表されたMONTAGEは、MOTIFでできなくて残念に思ってたことが全部できるようになってるように思える。しかも波形もパワーアップ、音源も追加されてる。KRONOSとMOTIFというコンビネーションでライブ演奏をしていて、足を引っ張り気味であるMOTIFのレベルが音源のキャラはそのまま(?)で機能をパワーアップさせることができる。機材のバランスが良くなるのである。そういう意味で自分の環境には大きなプラスの効果をもたらすポテンシャルを感じざるを得ない。

とまぁ魅力を感じても買うかどうか考えるのはまだまだ先の問題になるのだが、買わないにしても、ヤマハからようやくKRONOSと渡り合えそうなフラッグシップモデルが出たのはとても嬉しいね。…と言っても自分の演奏スタイルを考えるとこれでもKRONOSの勝ちなんだが(^^;)。

発売は5月2日とのことでまだ店頭で実物を見ることはできないかもしれないけど、是非現物を触ってみたい機材である。

 

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