ライブ撮影をはじめ、様々な現場で長年お世話になっているマルチアタッチメントシステム、RAM Mounts。
アメリカのメーカーで、GPSデバイスのアタッチメントから警察の車内ラップトップホルダーまで、様々なハードウェアを様々なものに固定するためのアタッチメントを製造している。
特徴
RAMマウントは、ボールジョイントとアームのコンビネーションが基本となっている。関節部分になるボールジョイントと、金属製またはプラスチック製のアームを組み合わせて自由にアタッチメントを組むことができる。国内では使いやすいパーツを抱き合わせたセットで販売されてることが多いみたいだが、本家では基本的にどのパーツも個別購入できるようになってるっぽい。
仕組みはシンプルで分かりやすい。ボールジョイントには各種サイズがあり、それぞれのサイズに合ったアームを使う。うちでは1インチのボールジョイントしか使ってないが、大きいものでは大型ノートブックやモニターなども楽々と支えるくらいのレベルになるらしい。
同一サイズのボールジョイントであればアームやベースの組み合わせは自由で、何より固定した時の信頼性が高い。ゴムコーティングされたボールジョイントはアームが固定位置からずれることを確実に防ぎ、積載量(写真のボールジョイントで3㎏らしい)を超えない限りは、まず外れない。
メーカーはボールジョイントのラバーコーティングには振動吸収効果もあると謳っているがそこは自分としてはそこまで実感してなかったり。揺れるときは揺れるw。ただ、ドラムのスタンドなどに取り付けても演奏中に外れる心配はほぼ皆無なので位置ずれを気にせずカメラを設置できるのは大きい。
使い方
自分は、1/4インチのネジ付きのボールジョイントに三脚やカメラを取り付けるという使い方が多い。片方にカメラ、もう片方にクランプなどが付いたボールジョイントを取り付ければ、突起物や棒状のものに固定できるカメラアームが出来上がる。
他にもサクションカップ(吸盤)ベースなどがあり、スマホを挟めるマウントなどと組み合わせれば車のフロントガラスに吸い付けてスマホホルダーとしても使える。
自分はKRONOSとnanoPADを合わせて使う場合のアタッチメントとしても活用してる。
アームもプラスチック製、金属製があり、長さも3種類ほど。中には中心が回転するものもあって組み合わせ次第で色々遊べる。オーソドックスにベース+アーム+カメラという組み合わせの他にも、物撮りの場合、パーツやレフ板などを固定するためにも工夫次第で色々使える。
難点
とても頼もしく便利なRAMマウントシステム、不満はまるでないのだが、あえて言うなら、
価格が高い。
上の写真に写ってるサクションカップベースやクランプは高いもので4000円を超える。これに加えてアームが必要なので、それを買うと金属製なら短くても2000円超え。ボールジョイント一つでも1700円前後(詳しくはググってみてくださいな)。でもパーツがそれぞれそんな価格なので色々集めてると軽々と万単位のお買いものになっていく。
これを高いと感じるか妥当と感じるかは個人差があるかもしれないけれど、自分としてはあまりお買い得な価格には感じない。ただ、安物のアタッチメントを買って本番中に位置ずれなど起こされても話にならんので、安心を買うという意味では価値ある投資だと思う。普通に使ってれば頑丈なので長く使えるしね。
販売店など
数年前までは日本ではマイナーだったらしく、あまり扱っている店が見当たらなかったが、近年はヨドバシカメラなどの家電量販店が扱い始めて少しずつ普及してる感じがある。Amazonでも「RAMマウント」で検索すると色々出てくる。各所でパーツの単品販売もある程度対応してるみたいで、それなりに売れてるのではないかと思う。
量販店以外では東京代々木にあるGPSストアさんがRAMマウントを正規ディーラーとして扱っている。自分もここに何度かお世話になってるが、量販店と違って実物を手に取ってサンプルを実際に使ってみることができるのが特徴。量販店だとパーツは基本的にプラスチックのバッグに入ってて取り出すことも組み合わせることもできないからね。GPSストアさんは小さい店舗だけど、RAMパーツの品揃えは素晴らしいしスタッフさんも親切で感じが良い。本来は名前の通りGPSデバイスを扱っているみたいだが、それの取り付けツールとしてRAMマウントを一緒に扱っているのではないかと推測。
ライブじゃなくても、撮影関連の作業では何かとアタッチメントがあると捗る場面が多いと思う。レゴの様にパーツを買って自分の用途に合ったアタッチメントが作れるRAMマウントシステムはとても柔軟性があって気に入ってる。価格はアレでも品質的には本当に素晴らしいシステムだと思う。今後も末永くお世話になることであろう。