どり〜む・じゃんぼライブの撮影

本格派DreamTheaterコピーバンド、どり〜む・じゃんぼのライブを撮影した。せっかくなので撮影環境と反省点などについて書いてみる。

現場は撮り慣れたシルバーエレファント。ライブは対バン形式、どり〜む・じゃんぼは3バンド中1バンド目だった。いわゆる逆リハだったのでリハ→機材そのままで本番という、撮影側としてはとても好都合な流れだった。サウンドチェック中にカメラの位置を決めて設置。サウンドチェック後、開場まで時間があったので機材が完璧にセットアップされている状態で更なる微調整ができた。

セットアップについて

今回のセットアップはこんな感じ:

MulticamPositioning

ドラム

シルバーエレファントはドラムの真上に45度の角度で鏡がある構造なので、そこにGoProをサクションカップマウントで取り付けることができる。ドラムのオーバーヘッドアングルは見た目がとても良いけど、取り付ける場所がない場合も多く、ドラムの頭上に鏡(ガラス)という構造はものすごく嬉しい。オーバーヘッドに加えて、プレイヤーの顔が見えるように、タムの間にエクステンションロッドを伸ばしてGoProでフロントビューを確保。

drumtop

drumfront

キーボード

キーボードの頭上には以前もレビューしたLumix GM1を取り付けた。これも都合良く鍵盤の立ち位置の上に照明器具用のレールがあったため、クランプアタッチメントで固定。GM1はミラーレス一眼の中でも軽くて小さい方なのでこういうときにとても心強い。GoProと違って映像で鍵盤が湾曲しないので見た目的にもここはGM1の標準レンズの方が向いてる気がする。

keytop

ギター

本来ならGoProをギターのボディーにクランプで取り付けようと思っていたが、なんと3本持ち替えとのことだったので本番中いちいち付け替えるのは無理と判断。代わりに足元にミニ三脚でGoProをおいてローアングルにして、手元のアップは後述の手動アングルでカバーすることに。

guitar1

ベース

ギターと違ってベースは1本しか使わないとのことだったのでクランプアタッチメントでGoProをベースのボディー取り付けた。ギターもそうだけど、クランプアタッチメントは楽器の形状によって取り付けできない場合もあるので今回はラッキーだった。

bass

その他

客席後方からステージ全体を映す用にGH3を固定。本来はステージ真正面が望ましいが、シルバーエレファントの場合、構造上それが少し難しいので右後ろから撮ることに。

stagefull2

最後に客席左後ろに当たる位置に簡易三脚とビデオ雲台を使ってビデオカメラを設置。このアングルは常時自分がオペレーションするので、固定カメラでは捉えきれないもの(ギター/キーボードの手元のアップ、ボーカルのアップなど)をカバーする。

operator1

operator2

operator4

全体的には自分のライブをマルチカメラで撮る時と似たセットアップだが、決定的に違うのは自分でオペレーションする手動アングルがあること。これがあるだけでカメラ3台分くらいの内容がカバーできるし、何よりパンやズームができる分だけ映像に躍動感が得られる。

ちなみに満員のライブハウスで三脚を立てるのはあまり現実的では無いと感じている。100cmを超える三脚は意外と場所を取る上に暗いと人が躓いて危険だったり、かなり邪魔な存在になる。なのでライブ用には小型三脚の雲台を外して一脚を取り付け、その上にビデオ雲台を付けて使っている。

videorig

一脚部分を伸ばせば最大180cm近くまで行く。三脚より不安定ではあるけど、普通に自立するし、このサイズのカメラでオペレーターが常に居るなら全く問題なく使える。地味だけど客に紛れてライブを撮る場合はこれがベストな気がしてる。

失敗/反省点

今回、撮影自体は滞り無く終えることができたのだが、後から気づいたミスがいくつかあって今後の課題となった。

レンズの汚れ

意外と見落としがちなのだが、今回その影響力を痛感した。ドラムのフロントアングルに使ってたGoProのレンズに小さなホコリが付着していたらしい。普通に撮影している限りでは全く問題にならないのだが、このアングル、スポットライトの強力な光が右から入ってくることがあり、その際にホコリのかたまりが思いっきり光を反射してた(´Д` )。映像的にどう見えるかというと、こうなる↓

debris特に真ん中のヤツが煌々と光っていて力一杯目立ってくれている(むしろ上下の控えめのノイズは中央のやつのゴースト的なものなのかも?)。角度がスイートスポットだったんだろうな。編集で隠すのは非現実的なので結局これは最終盤でもずっと映ってる。

ただし光ってない時もあるし、雰囲気を壊す程のレベルではないのでまだ良かった方かもしれない。事前にレンズを拭いておけばこれは防げたので、撮影直前のレンズクリーニングは重要だということが分かった。

逆光

これも照明に関わることだけど、ギターの足元に置いた煽りアングルのGoPro、実は天井のスポットライト真っ正面を向いてた( ´_ゝ`)。通常状態であれば普通にかっこいいアングルなのだが…

guitar1

スポットライトが点灯すると…

guitar2プレイヤーが何やってるか分からんくらい眩しくなる。ライトは点滅してる場合もあってそれはまだ良いのだが、点灯状態になるとギタリストが見えなくなるレベル。その間このアングルは使えない。しかもギターが目立つところで強調するようにスポットが当たるからちょっと痛かった。

カメラによる自動露出

これは被害としてはさほど大きく無いものの、マルチアングル編集ならではの問題かもしれない。それが、アングルによる露出レベルの差。

ステージ全体のアングルでボーカルにスポットが当たってる場面で、顔が白飛び気味になってる。これはカメラが全体のバランスを優先して、背景も含めてある程度適正な露出を選んでるからと思われる。

exposurecompare1で、ほぼ同じ場面でのオペレーターカメラのアングル。こちらはズームインしている状態なので、カメラは顔を認識してそこに露出を合わせてる。顔はスポットライトを浴びてとても明るいので、それに露出を合わせることによって背景が真っ暗になってしまっている。

exposurecompare2これらのカットを並べちゃうとまるで別のライブの映像みたいに見えてしまう。撮影時にこれを考慮して顔をあえてオーバー気味にして背景も明るく写るようにした方がバランス的には良い気がする。なかなか気づきにくいものであり、一度撮影したことがあるライブハウスじゃない限り、これを先読みするのは難しそうだ。

今回は暗い方のカットを編集時に露出補正してバランスを取ってみた。ある程度落差は緩和できたけど、露出を後から補正するとどうしてもノイズが目立ったり、不自然な感じになったりするので限界はある気がする。ソフトの性能にもよるのかもしれないけどね。

まとめ

  • カメラのレンズはセットしたらよく拭いておくべき。強力な光が当たる場合は特に。
  • 固定カメラを設置するとき、スポットライト真正面にならないようにフレーミングを確認しておくこと。
  • 手動アングルの露出は必要に応じてリアルタイム補正したい。これは経験を積むしかないかも?

それにしてもドリームシアターは曲が長い(^^;)。1曲でも2〜3曲分あるから編集が大変w。しかしながらまた勉強になる現場であった。

(画像に写ってるメンバーには掲載許可いただきました。多謝!)

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